その昔、大和の国がまだ湖であったころ、湖をはさんで対岸の当麻(たいま)の主(ぬし)である蛇と、川原の主の鯰がけんかをした。
長い争いの後、ついに川原の方が負けて湖の水を当麻に取られてしまった。
そのため湖は干上(ひあ)がって、湖に住んでいたたくさんの亀は全滅した。
この出来事があって何年か後、村人たちは争いに巻き込まれて死んだ亀たちを哀れに思い、その霊をなぐさめるために、もとの湖岸にあたる場所に供養碑をたてたという。
現在も、川原寺の西方五百メートルほど先の田んぼの中に残っている亀の形をした石が、その供養碑と伝えられている。
この亀石は今は西南向きになっているが、これが西向きになると再び大和盆地一帯は泥の海になるといわれている。
川原寺地図
アクセス
近鉄吉野線「岡寺駅」より車で約6分