その昔、寺に近い溜池(ためいけ)に竜が出没して、毎夜農作物に被害を与えていた。
困りはてた農民の訴えを聞いた住職が、ある夜その場所に出かけてみると、闇の中で竜が大暴れしていた。
もしや本堂の大竜では、と住職が急いで寺に帰り竜の絵の眼を槍で突いたところ、それ以来、竜は出現しなかったという。
この蓮長寺は、以前は喜見城院、喜見院と呼ばれていたが、日蓮聖人(前の名は蓮長)が南都遊学の折、この寺を拠点とされ、以後聖人にちなんで蓮長寺と名を改めたといわれている。
現在も、蓮長寺本堂の天井には、竜騒動の伝説を偲ばせる巻き竜の絵が残っている。
蓮長寺地図
アクセス
近鉄奈良線「近鉄奈良駅」より徒歩約4分
JR大和路線「奈良駅」より徒歩約8分