真宗大谷派のご本尊とお仏壇の飾り方
宗祖のことば ―親鸞聖人―
善人なおもて往生をとぐ、
いわんや悪人をや。
『歎異抄』より
親鸞聖人のこのおことばは、「善人でも往生するのだから、まして悪人が往生せぬはずはない」という、阿弥陀仏の救いのめあて(正機)をあらわされたものです。
ここでいう悪人とは、悪事をはたらく罪人をさすのではなく、常に迷いと悩みがつきまとう「わたくし」、つまりは凡夫のことをいい、阿弥陀仏の光に照らされると、「わたくし」は「罪悪深重の凡夫」であることを知らされるのです。
阿弥陀仏は、凡夫の罪悪深重を歎きながらも、見捨てられず、ふたたび悪道に陥ることのない仏として救いとることを願われておられます。
聖人は、阿弥陀仏のみ教えを信じ、かならず仏となる幸せを喜ばねばならないと、説かれています。
真宗大谷派のご本尊と歴史
ご本尊
阿弥陀如来(あみだにょらい)
脇侍
ご本尊に向かって右側…十字名号(または親鸞聖人)
ご本尊に向かって左側…九字名号(または蓮如上人)
お唱えする言葉
南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)
経典
『無量寿経』『観無量寿教』『阿弥陀経』
本山
真宗本廟(東本願寺)
京都府京都市下京区烏丸通七条上る
教義
阿弥陀如来の本願を信じ、ただひたすらに念仏し、浄土に往生する絶対他力の教え。
真宗大谷派の歴史
浄土真宗を開いたのは、親鸞といって法然の弟子の僧侶です。
浄土真宗を開くまで、親鸞は越後から関東地方の各地を回って法然の教えを広めていました。親鸞が越後に行ったのは、法然の流罪にともなって、越後に流されたからです。
そして、この布教の間に法然の教えをおしすすめ、親鸞自身の考えを確立したのです。
親鸞の教えは、自分の修行や知識ではなく、ただ仏の力に頼ることだけが救われる道である。だから、念仏を唱えることではなく阿弥陀仏を信じさえすればどんなに罪深い人でも救われる、というものです。そしてまた、善行の底にひそむ打算と名誉欲にかられている人は阿弥陀如来の救いからは遠いとも説いています。
つまり、自分の力で救われるのではなく、阿弥陀さまにすべてをまかせなさい、との教えなのです。
真宗大谷派の主な年中行事
月 | 日 | 行事 | |
1 | 1~7 | 修正会(しゅしょうえ) 一年の初めに荘厳を整え、身も心もひきしめ、仏恩報謝の思いをもって新しい年にのぞむ仏事 |
|
3 | 下旬 | 彼岸会(ひがんえ) 春分の日の前後7日間 |
|
4 | 1 | 春の法要 | 師徳奉讃法要 聖徳太子・七高僧等、先師の遺徳をしのぶ法要 |
親鸞聖人御誕生会(音楽法要) 宗祖親鸞聖人のご誕生を慶ぶ法要 |
|||
2 | 全戦没者追弔法会 非戦・平和を誓う法会 |
||
3 | 相続講員と帰敬式を受式された方の物故者に対する追弔会 | ||
4 | 15 | 立教開宗記念法要 親鸞聖人が『教行信証』をご制作されたことをもって立教開宗とします |
|
8 | 14.15 | 盂蘭盆会(うらぼんえ) ご先祖さまをおまつりする日 |
|
9 | 下旬 | 彼岸会(ひがんえ) 秋分の日の前後7日間 |
|
11 | 21~28 | 報恩講(ほうおんこう) 宗祖親鸞聖人の御祥月命日までの一週間に勤められる法要 |
|
12 | 20 | お煤払い(おすすはらい) 御堂に横一列となって割り竹で畳を叩き、出た埃(ほこり)を大うちわで外へあおぎ出します |