法華宗のご本尊とお仏壇の飾り方
宗祖のことば ―日蓮聖人―
日蓮は少(わか)きより今生の祈りなし、
ただ仏にならむと思うばかりなり
『四条金吾殿御返事』より
上の日蓮聖人のお言葉は、四条金吾にあてたご返事の一節です。
つまり、日蓮は、自分の名利や私欲のために祈ったことは一度もない。ただ仏道を成ぜんがために祈っていると述べられています。
これは、もちろん聖人が、法華経を流布するために祈っているということであって、聖人の祈りはすべて妙法を弘めるためであったことをはっきりと示しているのです。
すなわち聖人の祈りとは、法華経を守護するみ仏や菩薩の加護を確信し、法華経に絶対の信仰をささげて行われたものであるといえます。
この短い言葉のなかに、日蓮聖人のご生涯のあり方が、端的にあらわれており、その厳しくもはげしい聖人の姿にじかに触れるような気がします。
法華宗のご本尊と歴史
ご本尊
十界曼荼羅(じっかいまんだら)
脇侍
ご本尊に向かって右側…鬼子母神
ご本尊に向かって左側…日隆聖人
※各派により脇侍が変わります
宗祖
立正大師(日蓮大聖人)(1222~1282)
宗紋(門流紋)
お唱えする言葉(お題目)
本門八品上行所伝の南無妙法蓮華経
(ほんもんはっぽんじょうぎょうしょでんのなむみょうほうれんげきょう)
経典
『妙法蓮華経(法華経)』
大本山
本能寺 京都市中京区(法華宗本門流)
本興寺 兵庫県尼崎市(法華宗本門流)
光長寺 静岡県沼津市(法華宗本門流)
鷺山寺 千葉県茂原市(法華宗本門流)
教義
「法華経」の 本門八品に説かれた上行所伝本因下種の「南無妙法蓮華経 」に全身全霊を捧げ、本門のお題目を信じ唱えるほか私どもの成仏の道はないという教えです。
法華宗の歴史
法華宗は日本歴史の上では、建長5年(1253年)4月28日に、日蓮大聖人がはじめて「南無妙法蓮華経(なむみょうほうれんげきょう)」と唱えられたときに始まります。
日蓮大聖人の唱えられたように「南無妙法蓮華経(なむみょうほうれんげきょう)」というお題目を聞き、信じ、口唱(くしょう)し、多くの人々の心に、仏になるための種子(たね)を植えていくことを信心の生活の根本としています。
法華宗の主な年中行事
月 | 日 | 行事 |
1 | 1 | 元旦会(がんたんえ) 一年の国の安泰と家内安全と身体健全の祈願を行います |
2 | 16 | 宗祖降誕会(しゅうそごうたんえ) 日蓮大聖人の御降誕に感謝する法要です |
3 | 中旬 | 春季彼岸会(しゅんきひがんえ) 彼岸中の各家の先祖供養と一切の萬霊の追善法要 |
4 | 8 | 釈尊降誕会(しゃくそんごうたんえ) お釈迦様の御降誕に感謝する法要 |
4 | 28 | 開宗会(かいしゅうえ) 日蓮大聖人が御題目布教の誓願をたてられ、初めて御題目を唱えられた事を記念する法要 |
8 | 中旬 | 盂蘭盆施餓鬼会(うらぼんせがきえ) 各家の先祖供養と一切の萬霊の追善法要 |
9 | 初旬 | 日蓮大聖人瀧ノ口御法難会(にちれんだいしょうにんたつのくちごほうなんえ) 瀧ノ口法難は「立正安国論」を著して幕府に呈上した日蓮大聖人を捕らえ、瀧ノ口刑場で斬首しようとした事件。「日蓮四大法難」の一つ |
9 | 下旬 | 秋季彼岸会(しゅうきひがんえ) |
10 | 13 | 御会式(おえしき) 宗祖日蓮大聖人のご命日法要 |
12 | 31 | 除夜法要(じょやほうよう) 一年間の感謝の法要 |